季節外れのバレンタインネタです(笑)
卒業式を間近に控えた時期にバレンタインデーがあります。
しかし、私たち3年生は既に登校はしていません。
3学期は学年末テストが終わった翌日から(たしか)卒業式の前日まで学校はお休みになってしまうのよね。
しかし、最後のバレンタインデー。私、悩みました!!本当に悩みました。
ジョークででも「はい」って渡せるような仲だったら良かったけど、なんせ2年間まともに話もしたことがなかったんだもの。
第一弾でも話題にしましたが、朝は登校時間をなるべく同じにして、昇降口まで近くを歩くことがあっても、おはようの「お」の言葉さえ勇気が出せずに緊張で声が出なかった状態。
そんな私が果たしてKくんにチョコなんて渡せるのか?
それより問題は、上記に書いたとおり、学校が既に休みに入っているということ。
彼と逢える確率が・・・汗
悩みながらも私は一応チョコレートを買っておいた。
しかし、どうやってわたすかでまた悩む。確実に彼と会える場所と言えば学校の昇降口。だけど、学校休みのはずの3年が昇降口にぼけっと突っ立ってたらおかしい。。。
教室まで行く勇気なんてもちろんない。そんなことしたら、教室中の大騒ぎ・・いや、2年生の学年中の大騒ぎになりかねない!!
やはり下校時の通学路で渡すのが無難なのかな。
彼の家は遠すぎるので、とてもじゃないけど行けないし・・・っていうか、家の場所すらよくわかってなかったし。
わかるのは多分ここを通るであろう帰り道だけであったのだ。
その下校時の道だって、人が多いところで呼び止める勇気なんぞあるわけないし・・・・。
とにかくそれぐらいの勇気があったら、2年間も片思いしてないわよね。
ってことで考えた。
全然確実じゃないけど、とりあえず、彼が下校しそうな時間帯に、通りそうな道沿いで待ち伏せ作戦である。その道も、なるべく人通りが少ない場所!!
彼は自転車を漕ぐのがものすごく早い。だから、通った瞬間大声で呼び止めないと多分そのまま気づかないで行ってしまうだろう。
じゃなければ、彼がくる方向を( ・ _ ・ )ジーと見つめたまま待ち伏せして、姿が見えたら手を降るとか・・・。
それぐらいアピールしないと停まってもらえそうもない気がした。
しかし、いくら人通りの少ない道路ってったって、ただ黙ってぼけっと立ち尽くしてれば変に思われるだろう。。
だから歩いていなくてはいけない! でも、同じ場所を何度も往復するのもまた変な人と間違われるかもしれないし・・・。
まったく、今の私だったら、好きな人ができたら、さりげなく・・どころか堂々と「はいあげる」ぐらい言えるのだが・・・。
当時は本当になんであんなに臆病だったんだろう。。。
っというわけで、考えがまとまらないうちにその日が来てしまった。
仕方ないので、とにかくブツを持って彼が通りそうな道に向かった。
もし会えたなら絶対に渡そう! 会えなかったら諦めよう。。。
そう思って彼の通学路と思われる道をとろとろと歩いていた。
幸い人通りがほとんどなかったので、私は後ろをチラチラと気にしながら歩いた。ある一定のところまでくるとくるりと向きをかえ・・・歩いてきた道を戻る。そう、結局、何度も同じところを往復作戦にでたのだ。
彼がその道を通るということは本当にわからなかった。彼の家へのルートはいくつかあったし、私が彼の通学路までを気にするようになった1年半の間、ずっと見てきて研究(?)してきた結果によると、彼はたまに通学路をかえているような気がした。
だから、どのルートを通るのか本当に賭けだった。
彼に会えるかどうかも実際かなり低い確率だったと思う。
2月の寒い中、チョコレートを抱きしめて何度かその道を往復した。
当時私は教習所に通っていたが、偶然下校時の彼とすれ違うことが2~3度あったのだ。
なので私はそれに賭けた!!
しかし、結果・・・やはり彼とは結局会えることはなかった。
もともとそんな偶然に会えるわけないよなぁ~と半分諦めた気持ちで望んだのがいけなかったのか・・・。
そんな調子だったから、私もしつこく待つマネはしなかった。1時間ほどうろちょろして、会えないな・・・と思ったので帰ることに決めた。
家に帰ってから机の上に置いたチョコレートをしばらくじっと見つめてた。
勇気のない自分が本当に情けなかった。
本当に渡したいのなら、彼の家に電話をかけて呼び出すという手もあったはずだ。確かに、彼の家はかなり遠かったから、それをやると大変だったかもだけどね。。。
その後チョコレートは私の机の鍵のかけられる引き出しに仕舞い込まれた。自分で食べる気持ちにもなれなかった。だって、彼のために買ったものだったから・・・。
卒業して上京するとき、東京に持っていかない荷物は2つの衣装ケースに片付けた。チョコレートもその中に一緒に入れた。
誰にも食べられないままチョコレートはその後数年間衣装ケースの中で過ごすことになる。。。
上京して数年後、私は体調を崩して田舎に帰って来ることになる。
そして、しばらくしてから、押入れにしまわれていた衣装ケースをみつけ、中に入れられてるものをひとつひとつ取り出してみた。
卒業証書類、小さい頃集めていたメモ帳、ビーズ類。小学校の頃から書き続けていた日記。日記は誰にも読まれないようにと厳重に梱包してしまっておいたのだ。
そして、数年前Kくんに渡せなかったチョコレート、それも梱包されたままでてきた。開ける気にはなれなかった。多分もう分離して悲惨な状態になっていたであろう。
私はその時になっても、まだそのチョコレートを捨てる気になれなかった。
誰にも食べてもらえなかったチョコレート。。。。
あの日、もしあの時、偶然彼に会えていたら、彼に食べてもらえたのだろうか・・・。
そんな思いがふと頭をよぎった。
でも、会えなかったのはきっとそういう運命だったからなんだね?
きっと、私とKくんはそのままの状態でいなさいという、神様がそう決めた運命だったんだろうと・・・。
そう思うことにして、私はそのチョコレートを再び元の衣装ケースにもどした。